まずは自分のキャリアについて少し振り返りたいと思います。
大学を卒業して入った会社はITベンダーでした。
当時は、SEという職業が少しずつ認知され始めて、世間的にもIT投資が積極的になり始めた時のことだったので、薄給なのにハードワークというアンバランスさに、2〜3年目で既に嫌になってしまっていました。
そこから脱却すべく、SEを廃業して別の職業に就こうともしましたが、ちょうどリーマンショックで求人が減少している時期でもあり、いまいち行きたい会社が見つからないまま、また忙しい日々に戻ってしまい数年が経過しました。
その後、仕事内容や勤務地が大きく変わったことを機に再考したところ、事業会社の情報システム部門で働くという選択肢があることを知り、その職種「社内SE」について調べ始めました。
メンバークラスの社内SEの職務は主に、自社のシステム導入、構築、運用、またユーザからの問合せ対応などです。
ITベンダーにいた時は、顧客折衝ができるポジションに上がらない限りは、上から指示された仕様をもとに設計しプログラムを書くという仕事がメインでした。その働き方だと、リーダーからは「今まではXX値に0を入れていたけど1を入れるようにして」と作業レベルの情報しか落ちてこず、その対応の目的がわからないまま対応することが多くつまらなかったです。また、なぜその対応をするのか聞いてもリーダーが答えられないことも多々あり、先輩や会社へのがっかり貯金が増えていきました。
自分が誰のために何を作っているのかわからない、またリーダーポジションが詰まってしまっていて自分がそこを目指せない、一生こんな仕事をするの!?と絶望している時に、社内SEという職業を知りました。私が社内SEに感じたメリットはこんな感じです。
- ユーザの近くにいて意見や要望が聞き放題
- ビジネス戦略から落とされたIT計画を把握した上で働ける
- 1つの会社で落ち着いて働ける
- 給与が上がる
実は仕事内容だけでなく、数ヶ月ごとにクライアント、勤務地が変わるという働き方もしんどく感じており、入った案件で即座に業務理解を行なって必要なアウトプットをする、というスピード感は身についたものの、やっていることはどこか薄っぺらく、これを60歳まではやれない、技術も仕事スキルも頭打ちだ、とも感じていました。あとは単純に、プロジェクトメンバやクライアント、案件の当たり外れもあるので、少し疲れてしまっていました。
そんなこんな30歳の年末に未経験業種のトラブルプロジェクトに参画するために東京転勤を言い渡された時点で、耐えてきたものがプツッときれ、内示当日に転職活動を開始しました。
社内SE職はそもそもポジションが少なく、私が居住地域をもとに勤務地を狭めたことで、2社しか受けられませんでした。が、仕事内容、待遇、勤務地、どれも良くなるしかなかったので、とにかく内定をもらうべく注力しました。(申し訳ないが、東京でのトラブルプロジェクトは全く真剣にやっていなかった・・・。)
1社目で現在の上司と喋ってみて、ちょっと神経質そうだけど、論理的だし賢そうだし、やっていけそうな気がすると思えて、2社目の選考途中でしたが、転職活動をさっさと終了させたのでした。
結論、転職して良かったと思います。社内SEとして享受できるメリットはほぼ得られたと思います。あとは自分が職場に馴染めるかが不安でしたが、入社1ヶ月で「前からここにいた気がする」感があり、前職よりも居心地が良かったので、新卒カードで入った1社目に拘る必要なんてないんだと思いました。
ちょっと想定外だったのは、ベンダーよりも仕事が難しかったこと。転職当時は、自分が色々判断して、関係者にあれこれ指示しないといけないこと、担当する業務システムだけでなく、サーバー、インフラなど全般を把握して、突如として起こる本番トラブルに適切な対応をしないといけないことなど、想像以上に多岐に渡る能力が必要だとわかってプレッシャーにも感じました。ですが、そのたびに上長から対処方法とトラブル時の判断の仕方を教わり、乗り越えることができました。ベンダーと違って、社内SEは人数が限られているので、教育体制は厚いかもしれません。
今となっては、会議に呼ばれると気になることはあれこれ言ってしまうし、本番トラブル時にはアドレナリンが出て、かかってこいやー!という気持ちになるし、1社目でモヤモヤしながら何もできなかった時間を経て、自分なりの仕事スタイルが結構確立してきたように思います。
ここまでくると、担当する事業部門のことでわからないことはなくなってきていたし、ITリテラシー低めのクライアントたちに頼りにされることで余計に仕事しまくり、気がつけば社畜OLが出来上がっていたのでしたー。
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